【年代別】会社員の貯金額はいくら?平均・中央値のデータと、投資とのバランスの考え方


家計簿アプリやExcelで毎月の支出を可視化すると、気になってくるのが「自分の年代の貯金額は、他の会社員と比べてどうなのか」という点だと思います。

支出の可視化と貯金額の比較は、地続きの疑問です。余剰資金が見えてくると、次に気になるのが同年代の中での立ち位置です。

1点触れておきます。「貯金額」と「投資額」は別物で、この記事で扱うのは貯金額です。

【結論】

  • 年代が上がるほど貯金額の平均・中央値は増える傾向にあるが、平均は一部の高額貯蓄層に引き上げられやすく、実態に近いのは中央値
  • 貯金額が平均・中央値より少なくても、生活防衛資金の確保と、投資に回す資金のバランスを取ることの方が重要
  • 貯金だけに偏らず、NISA制度を使った投資も並行して検討する価値がある(筆者の持論)

貯金額の「平均」と「中央値」、どちらを参考にすべきか

平均値と中央値の性質は、投資額のデータと同じです。一部の高額貯蓄層が平均値を大きく押し上げるため、平均だけを見ると実態より高く感じやすくなります。

とある会社員

貯金額も、投資額と同じように平均で見ればいいんですか?

Mirai

性質は同じです。中央値の方が会社員の多数派に近い実態と考えてください。

平均と中央値の差は、貯金額でも年代が上がるほど広がりやすい傾向にあります。理由は投資額と同じで、一部の世帯が突出した金額を貯めている影響を受けやすいためです。

【年代別】会社員の貯金額の平均・中央値

ここで紹介する年代別データは、金融経済教育推進機構(旧・金融広報中央委員会)「家計の金融行動に関する世論調査」(2024年、二人以上世帯調査・単身世帯調査)の貯蓄項目に基づく整理です。実際の金額は調査年によって変動するため、最新の調査結果もあわせて確認することをおすすめします。

20代 会社員の貯金額の目安

20代は社会人になって間もない時期のため、貯金額の水準は他の年代と比べて低めです。中央値は平均よりかなり低くなりやすく、これは貯金がまだ少ない人と、すでにまとまった額を貯めている人の差が大きいためです。独身世帯が多く、家賃や交際費など可処分所得の使い道に個人差が出やすい年代でもあります。貯金の目安については、後述する生活防衛資金(生活費の3〜6か月分)の考え方が参考になります。

30代 会社員の貯金額の目安

30代になると、20代より貯金額の平均・中央値ともに上がる傾向にあります。結婚や住宅購入、子育てが重なりやすい年代でもあるため、貯金のペースは世帯によって差が出やすくなります。住宅購入の頭金づくりで一時的に貯金を取り崩す世帯もあれば、共働きで着実に積み上げる世帯もあり、この年代の中央値は平均ほど高くならないケースが目立ちます。

40代 会社員の貯金額の目安

40代は年収がピークに近づく世帯が増える一方、教育費や住宅ローンの負担が重なる時期でもあります。貯金額の平均は20代・30代よりさらに上がりますが、平均と中央値の差も広がりやすく、「平均は高いのに周りの実感と違う」と感じやすい年代です。

50代以降は退職金の受け取りや住宅ローンの完済といった要因が絡み、貯金額の前提が大きく変わります。

貯金と投資、会社員はどうバランスを取るべきか

ここからは私の持論です。会社員が投資に使える時間や金額には制約があるという前提を踏まえた考え方として読んでください。

貯金の目安を考えるうえでまず押さえておきたいのが、生活防衛資金です。一般的な目安として、生活費の3〜6か月分を預貯金で確保しておくという考え方があります。これは公的統計の数値ではなく、家計管理の場でよく使われる一般的な目安です。

生活防衛資金を確保した後の話として、NISAをどう位置づけるかが問題になります。1点注意したいのが、「貯金かNISAか」という比較の仕方です。NISAは非課税で運用できる「制度」であり、預貯金と並べて選ぶような対象ではありません。生活防衛資金を貯金で確保したうえで、余剰資金の一部をNISAという制度を使って投資に回す、という関係で捉える方が実務的です。

年代別の貯金額データと対になるのが、年代別の投資額データです。同じ調査シリーズを出典に、手取りに対する投資額の割合の目安をこちらの記事にまとめています。

生活防衛資金を確保できていて、実際にNISAで積立を始めたい場合、月1万円という現実的な金額からの始め方をこちらの記事で手順ごとに紹介しています。

貯金が平均より少なくても焦らなくていい理由

とある会社員

自分の貯金、平均よりだいぶ少ないかも……

Mirai

独身か家族がいるか、住宅ローンの有無で貯蓄ペースは大きく変わります。平均・中央値はあくまで目安です。

家計の前提条件によって、貯蓄や投資に回せる金額は大きく変わります。お小遣い制の家庭であれば、決まった額の中でどう資金を作るかという別の制約も加わります。家計の前提条件が違えば、同じ年代でも貯蓄ペースが揃わないのは当然のことです。

貯金額の平均・中央値は、あくまで参考値です。周囲と比較して焦るより、自分の家計の状況に合わせて、生活防衛資金と投資資金のバランスを考える方が現実的です。

【まとめ】

この記事で紹介した貯金額の平均・中央値は、年代ごとの目安であり、絶対的な基準ではありません。平均と中央値の差は年代が上がるほど広がりやすいため、自分の年代の中央値を一つの参考にしつつ、平均に振り回されすぎないことが大切です。

次の行動としては、まず自分の生活防衛資金が生活費の何か月分にあたるかを確認し、余剰があればNISAでの積立を検討してみてください。

貯金額を正確に把握するには、家計簿アプリやExcelでの可視化が前提になります。支出の可視化方法については、以下の記事で比較しています。

【この記事の主な出典】

  • 年代別の貯金額データ:金融経済教育推進機構(旧・金融広報中央委員会)「家計の金融行動に関する世論調査」(2024年、二人以上世帯調査・単身世帯調査)


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