「投資を始めたいけど、うちはお小遣い制だから無理」。そう感じている会社員は多いと思います。
毎月決まった額しか自由に使えない中で、投資に回すお金なんてどこにあるのか。そう思うのは当然です。
ただ、お小遣い制という家計管理の方式そのものが、投資と相性が悪いわけではありません。問題は「決まった額の中から、どうやって投資資金を作るか」という工夫の話です。金額の目安は別記事に譲り、ここでは資金の作り方と配偶者との合意形成を中心に書きます。

お小遣い制だから投資なんて無理だと思ってました。

金額の話の前に、まず何が問題なのかを分けて考えると整理しやすいです。「お金がない」のか「お金の使い方が決まっていない」のか、実はこの2つは別の問題なんです。
【結論】お小遣いの中から投資資金を作る3つの方向性
- 節約分の一部を投資に振り替える
- 投資目的でお小遣いの増額を交渉する
- 副収入の一部を「投資専用」として別枠にする
この3つのどれか、または組み合わせが現実的な選択肢になります。
会社員の平均お小遣い額はいくら?そこから投資に回せる現実的な金額
SBI新生銀行の調査によると、会社員のお小遣い額は男性で月39,081円、女性で月34,921円という結果が出ています。あくまで平均であり、勤務先や家庭の状況によって幅は大きいです。
この金額を見て「うちはもっと少ない」と感じた人もいると思います。逆に「意外と多い」と感じた人もいるはずです。平均額との比較はあくまで参考にとどめ、個々の家計事情に合わせて考えることが前提になります。

うちは平均より少ないかも……。

平均はあくまで目安です。実際に投資に回すべき金額の年代別の目安は、別の記事にまとめています。
平均お小遣い額と年代別の投資額目安を照らし合わせると、「お小遣いの中でどこまで捻出できそうか」の感覚がつかみやすくなります。金額の妥当性はこちらの記事に譲ります。
お小遣い制のまま投資資金を作る具体策
お小遣いの範囲内で投資資金を作る方法は、大きく3つに分けられます。
(1)固定費・変動費の節約分を投資に振り替える
通信費の見直しや、あまり使っていないサブスクの解約など、固定費を削れた分をそのまま投資に回す方法です。「浮いたお金」の使い道を先に決めておくと、生活費に紛れて使ってしまうことを防げます。変動費であれば、外食を月1回減らす、コンビニ利用を控えるといった小さな積み重ねでも、月数千円は作りやすい部分です。
(2)投資目的でのお小遣い増額交渉
配偶者にお小遣いの増額を交渉する際、「投資のために増やしてほしい」と目的を明確にすると、話が通りやすくなることがあります。感覚的な要望ではなく、月にいくら増やしたいのか、その分を何に使うのかを数字で伝える方が、相手も判断しやすくなります。
(3)副収入の一部を「投資専用の別枠」にする
ポイ活や簡単な副業で得た副収入は、もともとお小遣いに含まれていないお金です。この分を生活費に混ぜず、最初から「投資専用」として分けておく考え方も選択肢の一つです。
これらの方法で作った資金を実際にどう積み立てていくか、具体的な手順は別記事で扱っています。
配偶者にどう説明する?内緒にするリスクと合意形成のポイント
投資資金を作れても、配偶者の理解が得られなければ続けにくくなります。ここは、お小遣い制ならではの一番の壁だと思います。
投資のことを配偶者に内緒にしたまま進める、いわゆる「へそくり投資」という方法を思い浮かべる人もいるかもしれません。ただ、内緒にすることは根本的な解決にはならないと考えています。後から発覚した際、金額の大小にかかわらず「なぜ黙っていたのか」という信頼関係の問題に発展しやすいためです。家計は基本的に共有のものなので、まずは合意形成を目指す方が長続きします。

うちは投資の話をしても、なかなか理解してもらえなくて……。

理解が得づらいと感じることもあると思います。そういうときこそ、感覚ではなく数字で伝えることが一つの糸口になります。「月いくらまでなら生活に影響しない」「NISAなら非課税で始められる」といった具体的な情報を示すと、話がかみ合いやすくなります。

なるほど、いきなり大きな金額の話をするより良さそうですね。

そうですね。いきなり大きな金額を提案するのではなく、少額から始めて実績を見せるのも一つの方法です。月数千円の積立を数か月続けて、実際の増減を一緒に確認するだけでも、印象は変わってきます。
もし話し合いを重ねても理解が得られにくい状況が続く場合、お金の使い方そのものが家庭内の力関係の問題になっているケースもあります。そうした場合は、投資のテクニックよりも先に、家計全体の話し合いの方法自体を見直す必要があるかもしれません。
なお、「バレる」という言葉には注意が必要です。会社にバレるリスクと、配偶者にバレるリスクは性質が異なります。会社にバレる場合は就業規則や税務上の話が中心ですが、配偶者にバレる場合は法的なリスクではなく、信頼関係のリスクです。会社関連のリスクについては別記事で整理しています。
お小遣い制家庭でのNISA口座の持ち方
投資資金の話が進むと、「NISA口座は夫婦でどう持てばいいのか」という疑問が出てきます。
1点注意ですが、NISAは個人単位で開設する制度です。夫婦で「口座を分ける」「口座をまとめる」という発想自体、実は制度の仕組みと合っていません。NISAは非課税で運用できる「制度」であり、投資信託や個別株はその制度の中で選ぶ「商品」です。夫婦それぞれが自分名義でNISA口座を持ち、その中でどの商品を積み立てるかを個別に決める、という関係になります。

じゃあ、夫婦でNISA口座を1つにまとめられますか?

NISA口座は1人1口座が原則です。まとめることはできません。夫婦それぞれが自分の名義で口座を持ち、それぞれの資金で運用する形になります。
お小遣い制の家庭で実務上気をつけたいのは、口座の話よりも「資金の出所」です。投資資金がお小遣いから出たお金なのか、家計の共通口座から出たお金なのかで、家計簿上の扱いや、将来の資産の位置づけが変わってきます。運用は自分名義の口座で行いつつ、資金の出所は家計のルールとして夫婦で共有しておくのが実務的な整理になります。
捻出した資金をどう運用に回すか
資金ができたら、あとは仕組み化するだけです。せっかく作った投資資金も、都度判断が必要な状態のままだと続けにくくなります。最初に積立設定を済ませれば、その後は自動的に積み立てが続いていきます。
何に投資するかも、あわせて決めておきたい部分です。投資信託・個別株・仮想通貨では、リスクや手間の性質が異なります。お小遣い制で作った限られた資金だからこそ、どの商品に振り向けるかは慎重に選びたいところです。
【まとめ】
お小遣い制であること自体は、投資を諦める理由にはなりません。節約分の振替、増額交渉、副収入の別枠化。どれも今日から検討できる方法です。
大切なのは、資金を作る工夫と同じくらい、配偶者との合意形成です。内緒で進めるより、数字で伝えて小さく始める方が、結果的に長く続けられます。
まずは今月の家計から、削れそうな項目を1つだけ見直してみてください。その分を投資に回すところから、始められます。
以下の過去記事でまとめているので、あわせて確認してみてください。

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